みたかマロン動物病院ブログ BLOG

わんちゃん・ねこちゃんのオーラルケアについて

こんにちは。米岡です。 

三鷹の地で診療を始めてもうすぐ3か月になりますが、オーラルケアについて意識の高い飼い主さんが本当に多いなと感じます。
相談内容としてはダントツです。
人もそうですが、動物の歯石は一度ついてしまったら歯磨きでは落ちません。
歯石は歯垢(プラーク)に唾液中のカルシウムやリンが付着してできると言われています。
 
 

歯垢が歯石になるまでに犬では1週間程度、猫は3-5日程度です。
歯石になる前の歯垢の段階でケアできると良いですね。
ケアの方法についてはその子の特性や口腔内の状況によって変わりますので来院時にしっかりインフォームさせていただいています。
最近は歯ブラシ、歯磨き粉、ジェル、サプリメント、本当に多種のオーラルケアグッズがあります。
 
 

残念ながら歯石が沢山付着してしまった場合や、それが原因で歯周病になってしまった場合には、麻酔をかけての口腔処置をお勧めさせていただくこともあります。無麻酔での歯科処置に関してはいろんな意見がありますが、当院ではお勧めしていません。
 

1 歯の表面の汚れだけをとるのではなく、歯と歯茎の間(歯周ポケット)までしっかり
掃除する必要がある。
 

2 歯石を削った歯の表面は凸凹になるため、余計歯石が着きやすい。したがって歯石除
去後は研磨剤を使ってしっかり磨く必要がある。
 

3 無麻酔での歯科処置中に本人が嫌がった場合、余計口を触らせてくれなくなるように
なることがある。
 
こんな理由からです。
 

麻酔下のスケーリングを行った子が何件かいますのでご紹介させていただきます。

※血液の付着した写真などが出てきますので、苦手な方は引き返してください。

 
 
 

1. 15歳ネコちゃん
重度の歯周病と猫特有の破歯細胞性吸収病巣
*破歯細胞性吸収病巣についてはまた別の記事で紹介します。

     

歯周病のためかなり口臭が強く、流涎も止まらなかった猫ちゃんです。診察時にはかなり痛そうな口内炎も認められました。
元々歯がほとんどなかったのですが、スケーリングによって歯石を取り除き、吸収病巣の歯は顎の骨との癒着が見られたため、歯冠部を切除し、断端面をラウンドバーで削るような処置を行いました。
 
最後に研磨剤で磨き上げています。
研磨剤には粗いものと細かいものがあり、段階的に使い分けて磨くことにより、よりツルツルな仕上がりになります。
                                (afterの写真を撮り忘れましたごめんなさい…💦。)

 
 
 

2. 8歳ダックスフンドちゃん
ぱっと見て口がすごく汚いわけではなく、口臭もひどくはありませんでした。
定期的にご自宅で歯磨きをしているとのことでしたが、先週、歯磨きをしていたら歯がポロッと抜けてしまったそうです。
 
                               あんまり汚く見えないですよねー。

 麻酔をかけてじっくりお口の中を観察したところ、
歯槽膿漏になって抜歯が必要な歯が2本ありましたので抜歯も行いました。

 
 
                 ぱっと見汚くなさそうな口でもこんなこともあるものです。

 
 
 
 

 
3. 6歳トイプードル君
フィラリア検査に来た時にグラグラの歯がある、とのご相談でした。診察で診ただけでも
他にも何本かかなりグラグラの歯があったため、別の日に麻酔をかけて処置を行いました.

                 before

麻酔をかけてしっかりみてみると、なんと11本も抜歯適応な歯があったため、処置にかなり時間がかかりました。
麻酔から目覚めたあとは口臭もなくなり、爽快に帰宅していきました。

                    after

うちの子の口の中は大丈夫かな?ケアの仕方が良くわからない、などのご相談がありましたら、いつでも受け付けております!ちなみに、麻酔をかけてこんなに綺麗になったとしても、何もやらなければ半年で元通りになってしまうため、お気をつけください!

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