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犬の人工授精について

米岡です。 

本日は犬の人工授精についてお話したいと思います。

※交配日を決めるところまでは別の記事で紹介していますので、是非ご参照ください。
 

犬同士が問題なく交配できる場合、人工授精は必要ありません。

・雄犬、雌犬どちらかの性格的に自然交配が難しい場合
・雄犬、雌犬の体格差が激しい場合
・遠方に住んでいて直接合わせるのが難しい場合
・凍結精液を使用する場合 
 

           などは人工授精を選択します。

 

人工授精の種類には腟内人工授精と子宮内人工授精があります。
その名の通り、精液を腟内に入れるか子宮内に直接入れるかの違いです。

子宮に入れた方が妊娠しやすいのは当たり前なのですが、子宮に入れるためには全身麻酔をかけての開腹手術や、
硬性内視鏡という特別な機器を使う技術が必要であるため、皆が皆気軽にできるわけではありません。 

雄犬の精液を調べて精子数や活力(元気さ)が低い場合や、凍結精液を使う場合(一度凍結させた精液は新鮮なものよりも活力がかなり劣ります)は子宮内人工授精でないと難しい場合が多いですが、元気で新鮮な精子が2億匹程度いるならば、腟内人工授精で十分妊娠することが可能です。
 

ここでは腟内人工授精(逆立ち法)の紹介をします。

原理は簡単で、プラスチックストローで精液の第二分画液(一番濃いところ)を腟内にいれ、その後10-15分間逆立ちさせたら完了です。
一見とても簡単なので、ご自身で処置を行っているブリーダーさんも多くいますが、慣れていないと雌犬が嫌がるので結構大変かもしれません。


↑これらの道具を用いて精液採取、人工受精を行います
①ろうと  ②シリンジ  ③スピッツ管  ④プラスチックストロー

 
 

排卵日から30日前後のところで超音波による妊娠診断が可能です。交配後、妊娠診断までの間は普段通りの生活をして構いません。
薬の種類によっては使えないものがあるため、獣医師に相談する必要があります。

犬の妊娠期間は排卵日から64日前後です。妊娠診断から約一ヶ月で出産です。結構短いですよね。

先日、当院で人工授精を行ってめでたく妊娠、出産したわんちゃんがいらっしゃいますので、また別の記事で紹介させていただきます☺みたかマロン動物病院では犬猫エキゾチック動物の一般診療の他に、犬猫の妊娠出産に対する相談やサポートを承っております。 

🔥ご興味のある方は是非ご相談ください🔥

 
 

#自分の家族(ペット)に新しい命が宿り、産まれることはとても素敵で楽しいことです。
しかし、リスクと責任が伴うことをしっかり認識した上でご検討ください!
 

 
□妊娠が原因で妊娠中に体調を崩すことがあります。

 
□出産にはリスクが伴います。難産になった場合帝王切開で数十万の費用が必要になったり、最悪の場合母子ともに死亡してしまうこともあります。

 
□出産後にお母さんが育児放棄をしてしまった場合、飼い主様が赤ちゃんを育てる必要があります。最初は2時間毎の哺乳が必要です。赤ちゃんが離乳するまでには1か月程度かかります。

□沢山の子供が産まれた場合、子供の管理にお金がかかります。ご自分で飼育することが難しい場合には里親を探す責任があります。
生半可な知識と覚悟で妊娠が成立してしまうと犬も飼い主さんも不幸になってしまう場合があります

当院では、しっかりとインフォームドコンセントを行った上で、妊娠出産が可能であると判断した場合にのみ、サポートを行わせていただきますのでご理解ください💁‍♀️

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