みたかマロン動物病院ブログ BLOG

猫白血病ウイルス感染症・ 猫免疫不全ウイルス感染症について

こんにちは!動物看護師の菅野(かんの)です。

今日は

猫白血病ウイルス感染症(FeLV)

猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)

についてです。
 

猫白血病ウイルス感染症 FeLV

感染初期に発熱や元気消失などの症状があらわれます。

貧血、免疫力の低下、腫瘍などを引き起こす致死性の高い感染症です。
 
 

猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ) FIV

感染初期は無症状であることが多いです。

感染後は、徐々に免疫力が低下していきます。

難治性の口内炎、歯肉炎などがあらわれるようになります。
 

エイズ期まで進行すると、体重減少、貧血、日和見感染※や悪性腫瘍などを引き起こす致死性の高い感染症です。
 

日和見感染とは

 免疫力が低い動物で発症する感染症のこと

 
どちらも持続感染になると完治しませんが、

すぐに発症するとは限りません。

 
FeLVとFIVは環境中に存在するウイルスで、猫から猫へと広がります。

 
ちなみに、人へは感染しません🥺

 
日本における調査(J.Enviro.Dis Vol.21-27,2012)で、以下の感染率が報告されています。

FeLV 5〜10%

FIV 10〜30%

完全室内飼いの猫、たまにお外に出かける猫、ほぼ外生活の猫など…分けられてないですが、全体としての割合はこのくらいの割合のようです。

地域によっても割合が変わると言われています。

 
 【感染経路

感染している猫との接触

唾液、血液、排泄物を介して感染します。
 

感染している猫とのケンカ

血液を介して感染します。

主に咬傷や引っかき傷からウイルスが侵入します。 
 

感染している母猫から子猫へ

母乳や唾液を介して感染します。

 
 【初期症状

初期症状として、以下があらわれることがあります。 

•とても疲れやすい

•食欲がない

•体重減少

•異常な息切れ

•しつこい発咳

•口内炎

•目やに

•頻回の下痢

•傷が治らない

•膿瘍

•発熱

など 
 

【もしFeLVまたはFIV、もしくはどちらとも「陽性」だったら…】 

「陽性」=「すぐに発症」ではありません!

陽性でも発症せずに寿命を迎える猫もいます。

発症させないために飼い主ができることは下記の通りです。 
 

猫ちゃんを守るために室内飼いにする

猫ちゃんが快適に暮らせるよつに環境を保つ

1年に1〜2回は定期診断を受ける

猫ちゃんのストレスを減らす

栄養バランスの整った高品質のフードにする 

以上に注意してねこちゃんのケアをし、獣医師と相談しながら経過を観察することをおすすめします。 

ねこちゃんが感染しているかどうかは検査しないと分かりません!

 
下記の項目にあてはまる場合には検査を検討しましょう。

✅なんらかの臨床症状がみられる

 
✅これから新たにねこちゃんを迎える

 
✅これから交配を行う

 
✅FeLVやFIVにさらされたことがある

 
✅ FeLVやFIVの感染が不明である

 
✅同居ねこちゃんがFeLVやFIVに感染している

 
✅屋外で飼育されている・屋外に出ることがある

屋外によく出るねこちゃんは少なくとも1年に1回は検査することをおすすめします。

 
お外にどうしても行きたいねこちゃんがいることを知っていますが、お外には危険がいっぱいです。

感染症、交通事故、迷子、予期せぬ繁殖、近所からの苦情、ケンカなどなど…

 これらの危険に晒していることになります。

 
「動物の愛護及び管理に関する法律」に環境省告示として

 
家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」が定められています。

 
ここの「猫の飼養及び保管に関する基準」に

 
猫の健康や安全を守り、周辺環境の保全の観点から、室内飼養に努めること。

と明記されています。

一度もFeLVとFIVの検査をしたことがないねこちゃん、検査をおすすめいたします📢

特に元野良ちゃん、拾ったねこちゃん、お外にでるねこちゃんは一度検査してみてはいかがでしょうか? 

不明点ありましたら、気軽にお問い合わせください♪

24時間WEB予約 どうぶつ病院ブログ タップで電話する