こんにちは!愛玩動物看護師の菅野(かんの)です。 
 
本日のブログは…  
 
先日Instagramのマダニ予防の中でお話しした

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)についてです⚠

 
 

SFTSは人にも動物にも感染する
「人獣共通感染症」です‼

 
 

SFTSの感染経路は、人も動物もマダニの刺咬が主です。
しかしSFTS発症患者(人)から人への感染事例もあったり、SFTS発症動物から人への感染事例も複数確認されています。

 
 

近年、動物から人への感染が特に問題視されています⚠
動物から人への感染は排泄物からと言われています。

 
 

国内の2024年までの人の感染状況は900人を超え、そのうち死亡者は100人ほどいます。
2013年に年間感染者40名だったのに対し、感染者は年々増加し2023年の年間感染者は132名となっています。

 
 

暖かい西日本での感染者が多かったのですが、徐々に北上しているのが現状です。
北関東、東北、北海道のマダニからもSFSTウイルスが検出されています💦 

今後は東日本でも感染者が出る可能性が十分にある状況と言えます
関東では唯一千葉県で感染者の報告があります。
 
 

国内における動物のSFTS感染状況は、2017年初めて動物での発症が確認されました。
2023年までに
猫:721頭(約6割が致死的な経過をたどる。)
犬:45頭(不顕性感染※が多いとされる。感染が確認された個体の割合からみると約4割が致死的経過をたどる。)
野生動物:多くの野生動物(イノシシ、シカ、アライグマ、タヌキなど)で感染を確認
という状況です。
 
 

※不顕性感染とは💭

細菌やウイルスなどの病原体の感染を受けたのにもかかわらず、感染症状を発症していない状態。不顕性感染でも病原体は体内に存在しているので、病原体を排出し感染源となる可能性が高いので疫学上問題となる。
 
 

人と犬猫の感染数のデータを見ると…
2021年に入り人猫共に報告数が激増していることがわかりました🫨

 
 

人の症状は
•発熱
•消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)
•頭痛
•筋肉痛
•神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)
•リンパ節腫脹
•呼吸器症状(咳、咽頭痛)
•出血症状(紫斑、下血)等
です。

 
 

猫のSFTSの臨床像🐈
基本的な病態は、人と猫は類似していると言われています。

猫の症状は
•明かな急性疾患 
•元気消失、食欲低下
•嘔吐
•下痢(頻度は高くない)
と言われています。
 
 

データ的には、お散歩にいくわんちゃん🐶よりも、ねこちゃん🐱の感染数が多く死に至ることも多い感染症です。
この猫の感染数のどのくらいの割合がお外にいく子なのかは不明ですが💦お出かけした飼い主さんにひっそりくっついて、お家の中に潜み、お家にいるねこちゃん🐱に咬みつく可能性もあります。
 
 

お散歩に行ってマダニに咬まれる可能性があるわんちゃん🐶ではもちろんのこと、
発症すると致死的な経過をたどるねこちゃん🐱のマダニ予防を当院ではおすすめしております📢
  
 

色々なタイプのマダニ予防薬のご用意がありますので、その子にあった予防薬を提案することが可能です!ご相談ください!